可視化ソフト Visualizer シリーズ共通マニュアル

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KRIGING

クリギング補間は、地理統計学の分野を中心に開発された補間法で、重み付き平均によって平均値を求める手法の中で古くから実用的な利用がおこなわれている補間手法です。また、アメリカEPA(環境省)が推奨していることもあり、環境や土木の分野では広く利用されており、地下水分布、地盤沈下量分布、化学物質(汚染物質)分布などを求める用途で良く利用されています。 名前は鉱山学者D.G.Kringe(1951)に由来しています。

現在、クリギング補間は、処理方法の違いにより、次のように分類されています。

・単純クリギング (simple kriging)
・通常クリギング (ordinary kriging)
・普遍クリギング (universal kriging)
・共クリギング (cokriging)
・逐次非線形クリギング (disjunctive kriging)
・指示クリギング (indicator kriging)
・IRF k クリギング (IRF k kriging)

本ソフトでは、このうち通常クリギングと単純クリギングをサポートしています(デフォルトの設定は通常クリギングです。設定を変更する場合は「高度な設定」をご参照ください)。



【参考図書】
・Deutsch Journel GSLIB ,OXFORD 1998
・みんなのためのノンパラメトリック回帰 第2版(上) 竹澤邦夫 2003

●注意
クリギングに限らず全ての補間アルゴリズムにおいて、入力データが少ない場合、あるいは、入力データの空白領域が極端に分布している場合は、補間処理の結果が非現実的になる可能性が高くなります。結果として、どのような分布の入力に対しても計算はできますが、入力データは、対象領域内において、できるだけ均等に分布していることが望ましいです。

高度な設定(Visualizer Pro の製品版のみ)

本ソフトは、補間ライブラリとして世界的に有名な、GSLIBのkt3d(3次元クリギング)、kt2d(2次元クリギング)のパラメータファイルによる設定を一部サポートしています。 パラメータファイルは、本ソフトをインストールしたフォルダ中にある「\param\param2d.txt」(2次元クリギング用)と「\param\param3d.txt」(3次元クリギング用)になります。 ファイル中の入力値は、GSLIBで公開されている、 kt3d(3次元クリギング)とkb2d(2次元クリギング)のパラメーターファイル(kt3d kb2d)の入力値とほぼ対応しています。 なお、「\param\param3d_org.txt」、「\param\param2d_org.txt」は、デフォルト値のバックアップ用のファイルですので編集はしないでください。

以下にパラメーターファイルについて解説をおこなっていますが、文中に出てくる変数名や、パラメーターファイル中のコメント文は、GSLIBで使用されているものと同じです。 なお、本ソフトのパラメーターファイル中では「//」以降は行末までコメントとみなされます。

1.パラメータファイルの設定 : 2次元

基本的に以下の5行から構成されます。グリギングの構造をネストする場合は、Cのnst(最大値は4)を増やし、増やした分だけDのレコードをそれ以降の行に追加してください。
@1 2.302 //0=SK, 1=OK, (mean if SK) A1 8 //min and max data for kriging B1e+20 //maximum search radius C1 0.0 //nst, nugget effect D1 8.0 0.0 10.0 10.0 //it, c, azm, a_max, a_min
<解説>
@1項目目は、0(=単純クリギング)あるいは1(通常クリギング)を指定します。2つめのデータ2.302は、単純クリギングの場合にのみ使用される定数skmeanです。
A未知点を球解する際に使用する周辺データの最小値と最大値です。
Bデータの探査半径の最大値です。
Cグリギング構造のネスト数(最大値は4)とナゲット値です。
D各項目ごとに以下に記載します。
  • it : the type of structure(=1 spherical, =2 exponential, =3 Gaussian, =4 Power)
  • c : the c parameter(グリギングモデル式中の定数c)
  • azm : the azimuth of the maximum range
  • a_max : the maximum range(グリギングモデル式中の係数aの最大値)
  • a_min : the minimum range(グリギングモデル式中の係数aの最小値)
*参照文献 「Gslib: Geostatistical Software Library and User's Guide (Applied Geostatistics Series) SECOND EDITION」

2.パラメータファイルの設定 : 3次元

基本的に以下の6行から構成されます。グリギングの構造をネストする場合は、Dのnst(最大値は4)を増やし、増やした分だけEのレコードをそれ以降の行に追加してください。
@1 2.302 //0=SK, 1=OK, (mean if SK) A1 8 //min, max data for kriging B1e+20 1e+20 1e+20 //maximum search radii C0.0 0.0 0.0 //sang1, sang2 and sang3: angles for search ellipsoid D1 0.0 //nst, nugget effect E1 0.8 0.0 0.0 0.0 10.0 10.0 10.0 //it, cc, ang1, ang2, ang3, a_hmax, a_hmin, a_vert
<解説>
@1項目目は、0(=単純クリギング)あるいは1(通常クリギング)を指定します。2つめのデータ2.302は、単純クリギングの場合にのみ使用される定数skmeanです。
A未知点を球解する際に使用する周辺データの最小値と最大値です。
Bthe search radii in the maximum horizontal direction, minimum horizontal direction, and vertical direction.
Cthe angle parameters that describe the orientation of the search ellipsoid.
Dグリギング構造のネスト数(最大値は4)とナゲット値です。
E各項目ごとに以下に記載します。
  • it : the type of structure(=1 spherical, =2 exponential, =3 Gaussian, =4 Power)
  • cc : the c parameter(グリギングモデル式中の定数c)
  • ang1,ang2,ang3 : the angles defining the geometric anisotrop
  • a_hmax : the maximum horizontal range
  • a_hmin : the minimum horizontal range
  • a_vert : the vertical range
































 

 

 


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